秘密の海岸 Part2
坂道は変な臭いがした。道の左側を生活排水らしき水が勢いよく流れている。
それと醤油工場の臭いが混じり、夏草の臭いと荒れた海の臭いとが混然一体となっていた。
おまけに道には右側の斜面からしみ出したと見られる水がつねに流れているらしく、濡れている部分全体に灰緑色の苔が生えており、その上は靴が滑ってとても歩ける状態ではない。
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「これは無理かな・・・。どうする?」とワタシ。
道と生活排水路を隔てている巾10cm強、高さ40cmほどのコンクリートの壁を指さして、
「この上をわたってそのカーブの先がどうなっているのか行ってみてくるよ。」と息子。
そうして、さっさとその上を渡って下りて行ってしまった。
どうする、このまま待っているか?それとも行ってみるか?
そう自問自答した次の瞬間にはもうワタシもこの綱渡りをはじめていたのだった。
左に落ちると生活排水。右に落ちると苔で滑ってどこまで落ちるかわからない状況。
はじめは結構緊張したがワタシはこういうバランスは良い方だったのですぐに慣れてぐんぐん下りて行くことが出来た。こう見えてもなんせ、元サーファーなのである。(笑)
そして結構な長さを、しかし意外なほど速く渡りきって濡れていない路面を見つけて坂道に下りた。
目の前には荒れた海が見えた。
坂の上で感じた変な臭いもほぼ正面から吹く海風の潮の香りに置き換わっていた。
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つづく
by jptrad | 2009-08-26 23:09 | Comments(0)
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