新しいレコード針を買ったときの話
秋葉原まで行ってオーディオ店を探す。レコードの針を買うのだ。
・・・が、なかなか見つからない。
30年前はオーディオ店だらけであったが、今ではアニメ系、ゲーム系、そしてパソコンショップばかりである。
駅のそばのオノデンのビルに「オーディオ」の文字発見。
3階のオーディオ売り場に行くと奥にレコードプレーヤーが見えた。

「レコードの針ほしいんですけど・・・」店員のおじさんに聞く。
おじさんは言った。
「”針”というのは無いんですよ。こういうのになっちゃうんです。」
示されたケースにはまさにお目当ての針が・・・。
「あ、そうか。カートリッジと言うべきでしたね。それで良いんです。」
昔はカートリッジの針部分だけ「交換針」として売っていたのだが、今はそんなものはあるわけ無いのである。

というわけで、購入したのはSHUREのM44Gというカートリッジ。
よく見るとDJ用と書いてある。どうりでパッケージが無駄にカッコイイなと思ったのである。
更によく見るとHi-Fi用にも使用できますとある。
しかし考えてみると実に30年ぶりにレコード針を買ったことになる。

次の日早速新しい(レコードの)カートリッジに取り替えた。
なるべく記憶に新しい音を聴いてみようと思い、先日プレーヤー復活の時にかけたリンダ・ロンシュタットをターンテーブルに載せてみた。
そして驚いた!
全く音が別物になったのだ。
レコードが減っている、もしくはヨゴレで痛んでいるから・・・と思いこんでいた高音の歪みやドラムなど中低音のビリ付きがほとんど全くと言っていいほど無くなっているのだ。
楽器の定位も音の輪郭もくっきりした。
初め遠くで歌っているようであったボーカルもスピーカー台の設置でだいぶ改善したのだがカートリッジを替えたことで更にぐぐっとステージに近づいて聴いているような感覚だ。
片面通して聴いてみて、こんな音が入っていたのかと思えるような場面が何度もあった。

今までのカートリッジはよほど針が減っていたということなのだろう。
考えてみれば30年前日舞の教室用に貸し出していたプレーヤーなので当時おばちゃん達が演歌や民謡のドーナツ盤をこのプレーヤーでかけていた、そのときのままなのだから。
たぶん盤を外れてゴムマットの上を走らせてしまったことなども1度や2度ではないはずだ。
そして更に使わなくなってから最低でも20年は経過しているのだから音が出るだけでもよしとしなくてはいけない、そんな状態だったのだろう。

針がまともになると更に気になるところが出てくる物で・・・(苦笑)
かなり音は別物になったのだが、たとえばベースの弦をはじいたときの弦の張り具合とか、ドラムのタムのヘッドの張り具合のようなそういうアタック感の出て欲しい部分のニュアンスがちょっと曖昧な感じがする。
まあ、使っているシステムを考えればそこまで要求するのは酷なのかも知れないが・・・。
ただ、まだやり残している気になることがいくつかあるのだ。
それは、プレーヤーやアンプの乗っているラックなのである。
これがまた・・・オーディオブームの70年代に家具屋でバーゲンに出されていたようなちゃちなオーディオラックに全てが収まっている。
レコード演奏中にプレーヤーの乗っている棚板を叩くとボンボンと響くのだ。これでは音に影響があるんではないだろうか?
次はこの部分に手を入れようと思う。

参考までに(参考にする人はいないだろうけど)現在のシステム状況

■プリメインアンプ
Pioneer A-700
■スピーカー
Diatone DS-251MKII
■レコードプレーヤー
Aurex(型番不明)
■カートリッジ
Shure M44G

今日の復活レコード
Herbie Hancock / Sound-System(1984)

by jptrad | 2009-09-10 15:49 | アナログオーディオ
<< 「個展 忌野清志郎の世界」を見た Third World &qu... >>