ジャンクギターの素性
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先日、中学時代のギターを修理に出した話を書いた。
件のギターはまだ直ってきてはいないが、我が家にあるもう1本のギターがとんでもないギターであることが判明した。
この日のブログに写っているこのギターのことである。

このギターは、実はいつ誰が買った物だったのか全く素性がはっきりしていない。
前の持ち主も他人に貸しっぱなしであったもので、偶然その持ち主とワタシが知り合いの家に何かの流れで呑みに行った。そこにこのギターがあったのである。
その持ち主がギターを見つけて、「ああ、そういえばここにずっと置きっぱなしだったなぁ・・・。」
ワタシが手に取り弾いてみていると、「良かったらあげるよ。」と言うので割れはあるけどまあいいやとありがたく頂いてきた物なのである。
見ればブランド名はなぜか削り取られており、ボディー表面には割れがあり、サウンドホール内にもメーカー名のわかるものは何も無かった。
前の持ち主もあっさりタダでくれた物だし、それまでに何人もの手を渡ってきた物なのかも知れないが、どうせ大したギターではないだろうと自分自身もあまり大事に扱わなかった。無造作に物置に置いてあったこともあったし、近年はキッチンの片隅に埃にまみれて立てかけてあった。それでも年に1度くらいはぞうきんで埃を拭い、新しい弦を張ってたまに思い出したように弾いてはいたのだった。

ところで、ここ1年ほどすっかりアコースティックギターに目覚めてしまった友人がいる。
昔、学生時代に一緒にバンドをやっていた友人で、今でも良くウチに寄っては話をして行く。
年末にはその友人家族と一緒に忘年会を開いたりして当時の仲間で唯一今でもつきあいの続いている友人なのだ。
その彼がバンド時代に使っていたギターはグレコのファイヤーバード。
このチョイスを聞いて、ええっ?と思った人はバンド経験者であろう。
ちょっと普通では選ばない個性的なギターなのだ。
そのギターのことを思い出したのであるとき聞いてみた。
「あのファイヤーバードはまだあるの?」と。
すると、「家の中のどこかにあるんじゃないかなー?」という答え。
その後、1ヶ月ほどした頃かまた彼が来て、「ファイヤーバード出してみたらもう塗装が剥がれて見た目は全然ダメだった。でも、アンプ買ってきてつないでみたら音は全く正常だったよ。」と言った。
またその後しばらくして、今度はギターケースを2つも下げて彼がやってきた。
今日、御茶ノ水でギター買ってきた。と言って、ケースを開けるとセミアコのエピフォンのギターとギブソンのアコースティックであった。それが始まりで彼のギター熱は今に続くのである。

その彼の話の中であの頃のギター(70年代)は元の値段にかかわらず残ってるだけで貴重なので、リペアなりなんなりして大事にした方が良いと、もしかすると木が長年のウチに良い具合に枯れて昔よりいい音が出るかも知れない・・・と、そんなわけで中学時代のギターをわざわざ修理に出した訳なのである。
そして、楽器屋の店員に聞くと、表面の割れや穴は十分修理可能とのことだったのでもう一本の貰ったジャンクギターもついでに修理するかな?と思ったのがこのギターの素性がわかったきっかけなのであった。

                                                         (つづく)
by jptrad | 2010-06-13 11:43
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